どうも YASINSKI です。
普段、何気なく家でプシュッと飲んでいるビール。
居酒屋で「とりあえず生で」の乾杯のビール。
ビール売り場で迷いに迷って飲んでみた初めてのビール。
こんなシーンを想像するだけで、なぜかワクワクしてしまいます。
やっぱりビールは暮らしをちょっぴり豊かなものにしてくれる。
今回はビール入門講座と題し、
そんなビールの基本的な原料について簡単にまとめていきます。
この記事を読めば
・ビールの原料を知ることができる
・たくさんあるビールから今日の一本を選ぶ時に役立つ知識が手に入る
・ビールのいろいろな味をより楽しむことができるようになる
それでは早速見ていきましょう。
【ビールの原料】麦芽・ホップ・酵母・水
タイトルにある通り、ビールの基本原料は次の4つになります。
・麦芽(モルト)
・ホップ
・酵母
・水
※酵母は日本の酒税法では原料とされていませんが、ビール造りには必要不可欠な要素なので原料として紹介していきます
これ以外の物については「副原料」と「その他の原料」の扱いになります。
それぞれの原料には種類がたくさんあり、無限の組み合わせで色々なビールが生まれています。
原料の話に入る前にビールの定義がとても重要になってくるので、
まずはビールの定義を確認しましょう。
ビールの定義
実は一言にビールといっても多種多様なビールが世界にはあります。
そのため一つの枠で定義するのは難しいのですが、
日本国内においては酒税法で「ビールの定義」が決められています。
簡単にまとめると下記の通りになります。
ビールの定義
・麦芽比率 - 50%以上
かつ
・副原料については決められた物を定められた量(麦芽の使用重量の5%以内)で使用
そして、この定義に当てはまらないものは「発泡酒」扱いになります。
よくクラフトビールや海外のビールで「発泡酒」と表記されている物があるのは、
この日本のビールの定義に当てはまらないものだからなんですね。
「なんで発泡酒なのこれ?」
「ビールじゃないの?」
なんて昔はよく不思議に思っていましたが、
ビールの定義を知る事でこれらの疑問はすっきり解消しますね。
定義が分かったところで、本題の原料について見ていきましょう。
【基本原料 その1】麦芽
「麦芽」=「モルト」ともいいます。
麦芽はビールの味わい、香り、色味に大きく影響を与える大事な原料です。
ほとんどのビールでは大麦の麦芽を使います。
ビールの種類によっては小麦やライ麦なども使用します。
【麦芽とは?】
麦芽とは ⇒ 麦を発芽させ焙燥させたもの
【なぜ発芽させるのか?】
ビールのアルコールは酵母が糖を分解して発生しますが、
麦のままだと酵母が糖をもつデンプンを分解できません。
発芽させるとデンプンを糖へと分解する酵素(アミラーゼ)が生成されるので、発芽させる必要があるのです。
同時にタンパク質をアミノ酸へ分解する酵素(プロテアーゼ)も生成されます。
アミノ酸は酵母の栄養源となります。
【焙燥とは?】
麦の発芽を止め、長時間保管ができるようにするために熱風で乾燥させる工程です。
この焙燥の程度で麦芽の色が変わります。
濃色ビールで使われる麦芽は焙煎(ロースト)されたものもあります。
また燻製された麦芽もあります。
【基本原料 その2】ホップ
「ホップ」と聞けばビールが真っ先に思い浮かぶほどポピュラーな原料ですね。
「ホップ」は成長するとつるが7~8mの高さにまでなります。
松ぼっくりのような形の毬花にルプリンと呼ばれる苦味と香りの成分を持つ黄色い粉のような粒が入っています。
役割
何といってもその独特の香りと苦味
ビールをビールたらしめるのがホップです。
香りと苦味以外では
・ビールの泡と泡持ちに影響
・雑菌の繁殖を抑制 (ホップには殺菌作用を持つ成分がある)
・ビールの濁りを抑える (ポリフェノールが濁りの要因であるタンパク質と結合して沈殿する)
産地
日本では北海道、青森県、秋田県、岩手県、山形県
世界ではドイツ、アメリカ、チェコ、中国
種類
アロマホップとビターホップに大別できます
アロマホップは主にビールに香りをつけるために使われます。
ビターホップはその名の通りビールの苦味をつけるために使われます。
【基本原料 その3】酵母
ビールというアルコール飲料ができるのは「酵母」のおかげ。
酵母のアルコール発酵により麦芽の糖をアルコールと炭酸ガスに分解してくれるのです。
実は日本の酒税法では酵母は原料とされていませんが、
ビール造りには必要不可欠な要素なので原料として紹介していきます。
酵母は大きく分けると次の3種類に分けることができます。
酵母の種類
【ラガー酵母(下面発酵酵母)- Lager yeast】
【特徴】 酵母が下に沈んでいくので下面発酵 発酵温度が低い - 約10℃ 発酵期間がやや長い 香りよりもキレのある爽やかなノド越しが特徴 代表的ビアスタイル:ピルスナー
【エール酵母(上面発酵酵母)- Ale yeast】
【特徴】 発酵すると酵母が炭酸ガスの泡とともに液体の表面に浮いてくる 発酵温度は高い - 15℃~25℃ 発酵期間が短い - 3~5日 フルーティーな香りのもとの成分を多く作り出す 代表的ビアスタイル:ペールエール、スタウト、ヴァイツェン
【野生酵母 – Wild yeast】
自然界に存在するすべての酵母 - 空気中・土壌・植物などに存在しています
代表としてはベルギービールのランビックが有名です
空気中や熟成樽にいる酵母の発酵によりできるビール
ラガーとエールの酵母でのビールからは想像できない味のビールがあり奥深い世界です
日本ではラガービールがビールの名称として浸透していますが、
ラガーは酵母の名前からきていたんですね。
「ラガービールとエールビールって何?」
「ペールエールとエールビールって何が違うの?」
よくスーパーのビール売り場でこんな疑問を持っていましたが、酵母の種類を知れば解決です。
ペールエールもエール酵母を使ったビールのうちの一つのスタイルという事ですね。
※ビールのスタイルについてはコチラの記事をご覧ください。
【基本原料 その4】水
ビールの9割以上をしめるのが「水」
水の性質はビールの仕上がりに大きくかかわります。
水の性質は硬度で表されます。
硬度は一定量の容積の水に含有される炭酸カルシウムの量できまります。
硬度が低い ー 軟水 ⇒ 淡色ビールに適している
硬度が高い ー 硬水 ⇒ 濃色ビールに適している
ビールに合わせて硬度を調整する(水を磨く)こともあります。
ちなみに、成分とは関係ありませんが、
1Lのビールを醸造するのに5~10Lもの水を使います。
この事実を知るとビールのありがたみがすごい笑
副原料について
副原料を使用する目的
発酵を手助けるため、特徴のある香りや味わいを持たせるためなどです。
輸入ビールや国内のクラフトブルワリーの作るビールには独特の味わいや香りのするものが多数あり、それらは副原料を効果的に使っているからなんです。
副原料の定義
日本の酒税法ではビールに使える副原料も定められています。
【ビールに使える副原料】 「1」麦、米、とうもろこし、こうりゃん、ばれいしょ、でん粉、糖類又は一定の苦味料若しくは着色料 「2」果実(果実を乾燥させ、若しくは煮つめたもの又は濃縮した果汁を含む。) 「3」コリアンダー又はその種 「4」ビールに香り又は味を付けるために使用する次の物品 ・ こしょう、シナモン、クローブ、さんしょうその他の香辛料又はその原料 ・ カモミール、セージ、バジル、レモングラスその他のハーブ ・ かんしょ、かぼちゃその他の野菜(野菜を乾燥させ、又は煮つめたものを含む。) ・ そば又はごま ・ 蜂蜜その他の含糖質物、食塩又はみそ ・ 花又は茶、コーヒー、ココア若しくはこれらの調製品 ・ かき、こんぶ、わかめ又はかつお節 ※「2」~「4」に関しては使用麦芽の重量の5%以内の使用
ここに含まれていないものを使用したり、
定められた副原料を規定量以上使用すると発泡酒の扱いになります。
これで時々売場で見かける輸入ビールの中に発泡酒扱いの物があることも理解できますね。
副原料について詳しくは国税庁のwebに記載があります。
気になる方はコチラから。
ビール時間を楽しもう
この記事ではビールの基本原料と副原料について解説をしてきました。
簡単にまとめると
【ビール - 4つの基本原料】 ・麦芽 ・ホップ ・酵母 ・水 ※発酵の補助やビールの特徴をつけるために副原料が使われる。 ※定められた副原料以外のものが入っていれば発泡酒の表記になる。
ここまでの基礎知識があれば
ビールを選ぶ時にパッケージの説明や商品の特徴をつかむ助けになること間違いなし。
さらに、味わいをより楽しむきっかけになったり、新たにわからないことがもっと出てきちゃうかも。
何事においても新しい発見があると楽しいですよね。
みなさんの今日の一本を決める助けになればうれしく思います。
それでは今日はこのあたりで
ビール飲もうぜ!
Cheers
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